「ひとつの共通の信教」は、無用のも のとして放り去り、封をしてしまった誤った考えから宗教を解放し、その治癒の力を発揮させることを可能にするよう、バハイの人々に呼びかけている。宗教の 潜在能力を麻痺させてしまったものの中にあげられるのは、物質主義の概念で、これは、20世紀に行われた大規模な社会的実験を正当化するために用いられた。その物質主義の問題点が、この文書で指摘されている。(1)人間の理解の範囲を狭めてしまう。(2)自己過信である。(3)人間の精神を満足させられない。(4)道徳的発展を推進できない。
多くの人は宗教を求めているが、宗教 に関しては、あまりにも混乱しすぎているため、多くの者は宗教から遠ざかっている。過去の宗教は、互いに矛盾する理論により弱められてしまった。また、 「競争相手」を負かそうとする主張や、自分たちの宗教が特別であるという主張により、逆に弱められてしまった。また、場合によっては、そのような主張の内 容は、科学的発見や事実とも矛盾している。宗教と科学は、同じ実在性つまり真理を発見する二つのアプローチであり、矛盾する必要はない。全ての宗教には共 通のテーマがいくつかある。個人の魂の発達を可能にするというレベルでは、過去の宗教は全て、その効力は継続する。しかし、社会的な発展というレベルで は、過去の宗教は、現代社会では効力を失ってしまった。
精神的・社会的発展の媒介としての宗 教の潜在能力を発揮するには、和合が不可欠である。現代社会の病を癒す治癒法は、この日こそ、「約束された日」であることを全ての人が認識することであ り、バハオラの啓示こそが理知的魂の成熟を導く「精神的な遺伝子コード」であることを理解することである。つまり、「全世界を癒すための最高の薬、最も強力な手段として主が定めたもうたものは、ひとつの普遍的『大業』,ひとつの共通の『信教』における、人々の和合である。」
学習用の質疑1. 人類が「信教」を受け入れる受容性が非常に高いと述べられている根拠は、どこにあるか?
2. 19-20世紀は、「宗教」に代わってどのような「信仰」が蔓延していたか?4. 合理主義・物質主義の波に流されなかった人々は、主にどこに住んでいたか?また、彼らはどのような生活をしていたか?
5. なぜ宗教ブームが復活したか?8. 物質主義及び物質主義的な実験は何故、正義と平和と繁栄をもたらすことができなかったか?
9. 物質主義の誤った考え方とは何か?19. 時代が変わり、世界が変わって、従来の宗教では十分な導きが見出せない現代社会の課題の例をあげよ。
20. 地球規模の統合が、伝統的宗教の復興の障壁となっているのは何故か?22. 現在の世界秩序に存在する概念にはどのような根本的過ちがあるか?それが、世界の改善にどのような影響を与えているか?
23. 現在、人々の多くは何を持って「宗教」としているか?29. 「バハイの人々は、この啓示に秘められた真理のほんの一部のみしか理解していないと考えるべきである」とすると、われわれはどのような態度でこの啓示に接するべきであろうか?
30. 神の存在を証明する証拠とは何か?33. 宗教の教えに見られる、個人の行動に関する規範は、時代が経ても権威を失わない。これは、どのような現象を産み出すか?
34. 宗教の二つの役目を説明せよ。36. 聖職者が宗教を解釈する権威は、どのような弊害を生じたか?バハイ信教では、教えの解釈については、どのように対応されているか?
37. 「小麦とそら豆」の寓話の教訓を説明せよ。46. 初期のユダヤ教とイスラム教の試練とその後の文明の開化の歴史を簡単にまとめよ。キリスト教、仏教に関してはどうか?
47. 現代の標準からすると、過酷と思われる処罰の例を、過去の宗教の教えからあげよ。48. 近代・現代社会で取り上げられてきた社会問題で、過去の宗教では直接触れられることのなかったものをあげよ。それでは過去、なぜ取り上げられることがなかったのか?
49. 時代の要求に応じて一時的な目的で説かれた教えを、目的が果たされた何世紀も何千年も後の社会に適応させようとする時に、どのような問題が生じうるか?人間の発達に当てはめて言えば、どうか?
第9部:バハオラの原則は、道徳的な確信と信仰が背後にあって機能する50. バハオラが教えを説かれた頃には非現実的で、可能性のない単なる理想論として片づけられえていたのに、現在では一般社会の多くの機関が受け入れている原則に、どのようなものがあげられるか?その歴史的背景を説明してみよ。
51. しかし、一般社会における、そのような原則の採用にかけているものは何か?55. (54)の答えは、どのように定義できるか?また、それはどのようにして確保することができるか?
56. バハオラの使命の中心にあるものは、何か?バハイ共同体の背景に関するデータを述べよ。58. バハイ信教は、過去150年の間、分裂や分派の危機にかかわらず、一体性を維持してきた。その歴史的例をあげよ。
第11部:「悪」は精神的な病――聖約の破壊の例59. 社会的な「悪」の例をあげよ。一般社会で取り上げられるこれらの「悪」の記事や書籍に大部分かけている分析は、何か?
60. 人類全体としての不和は、どのような凶暴な行動の扉を開いたか?61. 「悪」はどのように定義されているか?和合には何が必要条件であり、どのようにして可能となるか?
62. 神への不従順の中で最も破壊的な行為は、何と呼ばれるか?それを定義し、歴史的な例をあげよ。
63. (62)の答えは、どのような時に生じるか?神の意思に従い、人類の安寧に献身的であることの試金石とは、何か?
第12部:人類が直面する危機に対するバハイ共同体の反応64. バハイ共同体は、世界に対して、何を証明する存在と言えるか?「関心のある人々の集まり」とは誰のことか?
65. 人類は、バハイ共同体に何を期待して当然と言えるか?したがって、バハイ共同体は、どうすべきなのか?
66. (65)の挑戦に対する最も効果的な反応としてあげられるのは何か?それは何か、具体的に説明せよ。
67. バハイ共同体にとって平行進行する二つの事業とは何か?探求者が視野を広める必要のある二つの事項とは何か?
68. 純粋な、そして究極の意味での「改宗」とは何を意味するか?