まことに、誠実なる者たちの心は別離の火中で焼き尽くされております。どこにあなたのお顔の光の輝きはあるのでしょうか。おお諸々の世界が敬愛けいあいしまつる御方よ。
あなたのおそば近くにいる者たちは、荒廃こうはいの暗黒の中に見捨てられております。どこにあなたとの再会の朝の輝きはあるのでしょうか。おお諸々の世界が待望しまつる御方よ。
あなたが選び給うた者たちの身体は、遠方の砂漠で倒れ、震えております。どこにあなたの御前にあることの大海はあるのでしょうか。おお諸々の世界の魅惑者みわくしゃよ。
あこがれの両手は、あなたの御恵みめぐみとご寛大さの天に向かって差し伸べられております。どこにあなたの賜物たまものの雨はあるのでしょうか。おお諸々の世界に答え給う御方よ。
不信心な者たちは四方八方に暴虐ぼうぎゃくをふるっております。どこにあなたの命令のペンの持つ、人を動かさずにはおかない力はあるのでしょうか。おお諸々の世界の征服者よ。
犬の吠ほえ声ごえは四方に騒々そうぞうしく響ひびいております。どこにあなたの威力の森の獅子ししはいるのでしょうか。おお諸々の世界の懲罰者よ。
寒気が全人類を包み込んでおります。どこにあなたのご愛情の温かさはあるのでしょうか。おお諸々の世界の炎よ。
惨禍さんかはその極に達しております。どこにあなたの救援の御しるしはあるのでしょうか。おお諸々の世界の救済者よ。
暗黒が人類の大半を覆おおい包んでおります。どこにあなたの光輝の輝きはあるのでしょうか。おお諸々の世界を照らす光よ。
人々は敵意をもって頭をもたげております。どこにあなたの復讐ふくしゅうの剣はあるのでしょうか。おお諸々の世界の破壊者よ。
屈辱くつじょくはどん底にまで達しております。どこにあなたの栄光の象徴はあるのでしょうか。悲嘆ひたんが慈悲深き御方なるあなたの御名の啓示者を悩ましております。どこにあなたの啓示の夜明けの歓喜はあるのでしょうか。おお諸々の世界の喜びなる御方よ。
苦悶くもんが地上の全人類に降り掛かっております。どこにあなたの歓喜の御しるしはあるのでしょうか。おお諸々の世界の歓喜のもとなる御方よ。
ご覧のように、あなたの御しるしの黎明れいめいの場はよこしまな示唆によって隠されております。どこにあなたの威力の指はあるのでしょうか。おお諸々の世界の御力なる御方よ。
全人類はのどの渇かわきに圧倒されております。どこにあなたの御恵みめぐみの川はあるのでしょうか。おお諸々の世界の慈悲なる御方よ。
貪欲どんよくが全人類を虜とりこにしております。どこに世俗超越の権化ごんげはあるのでしょうか。おお諸々の世界の主なる御方よ。
ご覧のように、この虐しいたげられた者は寂しく流罪になっております。どこにあなたのご命令の天上の軍勢ぐんぜいはいるのでしょうか。おお諸々の世界を統すべ給う御方よ。
私は異国の地にあって見捨てられております。どこにあなたの誠実さの象徴はあるのでしょうか。おお諸々の世界が信頼しまつる御方よ。
死の苦悶くもんがすべての人々を捕らえております。どこにあなたの永遠の生命の大海に打ち寄せる潮騒しおさいはあるのでしょうか。おお諸々の世界の命なる御方よ。
悪魔のささやきがあらゆる生き物に小声で語りかけております。どこにあなたの炎の流星はあるのでしょうか。おお諸々の世界の光明よ。
人類の大半は情欲に酔よいしれて邪道に陥おちいっております。どこに純潔の夜明けはあるのでしょうか。おお諸々の世界が熱望しまつる御方よ。
ご覧のように、この虐しいたげられた者は、シリア人の中で暴虐ぼうぎゃくにより覆おおい隠されております。どこにあなたの夜明けの光の輝きはあるのでしょうか。おお諸々の世界の光明なる御方よ。
ご覧のように、私は声を上げることを禁じられております。ならば、いずこよりあなたのメロディーが発せられるのでしょうか。おお諸々の世界の小夜鳥さよどりにまします御方よ。
人類の大半は妄想と空想に包まれております。どこにあなたの確信を陳述する者たちはいるのでしょうか。おお諸々の世界に確信を与え給う御方よ。
バハは苦難の海でおぼれかけております。どこにあなたの救助の箱船はこぶねはあるのでしょうか。おお諸々の世界の救助者にまします御方よ。
ご覧のように、御言葉の曙あけぼのは創造界の闇やみに覆おおわれております。どこにあなたのご恩寵おんちょうの天に輝く太陽があるのでしょうか。おお諸々の世界に光明を与え給う御方よ。
真理と純潔、忠誠と栄誉の灯ひは消されております。どこにあなたの復讐ふくしゅうの怒りの徴候があるのでしょうか。おお諸々の世界を動かし給う御方よ。
あなたご自身を擁護ようごするために奮闘し、あなたの愛の道において彼に降り掛かったことを考える者を見いだすことができましょうか。今や私のペンは停止いたします。おお諸々の世界の敬愛けいあいしまつる御方よ。
神聖なるロートの木の枝々は、吹きあれる運命の疾風しっぷうによって折れ、横たわっております。あなたの救助の御旗はどこにあるのでしょうか。おお諸々の世界を擁護ようごし給う御方よ。
この顔は中傷の塵ちりの中に隠されております。どこにあなたの憐あわれみの微風はあるのでしょうか。おお諸々の世界の慈悲なる御方よ。
清らかさの衣ころもは虚偽きょぎの人々によって汚されております。どこにあなたの神聖さの衣ころもはあるのでしょうか。おお諸々の世界を飾り給う御方よ。
恩寵おんちょうの海は人々の手が行なったことのために静まり返っております。どこにあなたの恩恵の波はあるのでしょうか。おお諸々の世界が待望しまつる御方よ。
神聖なる者の御前に通じる扉は、あなたの敵の暴虐ぼうぎゃくによって堅く閉ざされております。木の葉は扇動せんどうの有毒な風によって黄ばんでおります。どこにあなたの御恵みめぐみの雲からの雨はあるのでしょうか。おお諸々の世界の贈与者にまします御方よ。
宇宙は罪の塵ちりで暗やみになっております。どこにあなたの御許みゆるしの微風はあるのでしょうか。おお諸々の世界の罪を許し給う御方よ。
この若者は荒廃こうはいの地で独り寂しく過ごしております。どこにあなたの天上の御恵みめぐみの雨はあるのでしょうか。おお諸々の世界に授け給う御方よ。
おお至高のペンよ、我は永遠の王国で汝の最も甘美な呼び掛けを聞いた。荘厳そうごんなる舌が発したことに耳を傾かたむけよ。おお諸々の世界の虐しいたげられし者よ。
もし寒さがなかったなら、いかにして汝の言葉の熱は流布されようか。おお諸々の世界の解説者よ。扇動者せんどうしゃたちに囲まれる中、聖約の地平線上への汝の出現と、汝の神に対するあこがれはいかに甘美であったことか。おお諸々の世界の愛する者よ。
汝によって独立の旗は最も高い頂いただきに立てられ、恵みの海は波打った。おお諸々の世界を恍惚こうこつとさせる者よ。
汝の孤独により一体性の太陽は輝き出し、汝の追放により和合の地は飾られた。忍耐せよ。おお諸々の世界の追放者なる者よ。
我は屈辱くつじょくを栄光の衣ころもとし、苦難を汝の聖堂の飾りとした。おお諸々の世界の誇りよ。汝が嘆なげくか、それとも我が嘆なげこうか。むしろ、汝の擁護者の少数たることに我は涙を流そう。おお諸々の世界の嘆なげきの源みなもとなる者よ。
まことに、私はあなたの御呼びかけを耳にいたしました。おおすべてに栄光ある、最愛なる御方よ。そして今、バハの顔は苦難の熱と、あなたの輝く御言葉の火により燃え上がっております。そして彼はあなたのお喜びを求めて、生贄いけにえのささげ台に忠実に立ち上がっております。おお諸々の世界の命令者にまします御方よ。
おお、アリ・アクバルよ。この書簡をもって汝の主に感謝せよ。これにより汝は、我の従順さの香りをかぎ、諸々の世界のあこがれである神の道において何がわが身に降り掛かったかを知るであろう。
すべての僕しもべがこれを読み、熟考じゅっこうするならば、彼らの血管中に諸々の世界を燃え上がらせる火が赤々と燃え立つであろう。
-バハオラ